ホラーサスペンスギャグ漫画「フランケン・ふらん」を一気読みした | 文藝PIERROT

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サブカルに光あれ

フランケン・ふらん コミック 1-8巻 セット (チャンピオンREDコミックス)/秋田書店
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表紙が可愛らしい女の子なので、ほんわかした作品なのかなあと読んでみたのだけれども。人体改造版喪黒福造とでもいうような後味の悪いストーリーだらけで、肉体の断面まできっちり描き込まれててグロ満載で、とてつもなく惹きこまれてしまった。読むひとを選ぶ作品だろうなあ…、これ…。でも、ぼくはとっても気に入りました。8巻で終わってしまったのは残念でならない。

主人公・ふらんはフランケンシュタインであり、とてもカンタンにいうと人体のスペシャリスト。人間を切ったり貼ったり作り変えることはお手の物。仮面ライダーのパロディキャラもいる。ふらんは「命は大事にしなければいけない。救える命は全て救いたい」という”善意”で行動しているのだけれども、【生きてさえいればどんな姿でも気にしない】のだから必然的に真っ当な精神の人間にとっては悲劇的結果になりやすい。

ツイッターで「ズレてるひとは、ズレなければ生きてこられなかったのではないか」なんて旨のお話を見かけたところだったのだけれども、ふらんに関しては、そのズレゆえに天才的人体改造能力を手に入れているのかもしれないなあと感じた。ややホラーで、そこそこサスペンス。でも分類はギャグ漫画。とっても不思議な作品だよね。